日経サイエンス  2019年10月号

特集 『天気の子』の空

編集部

新海誠監督の映画『天気の子』では未曾有の長雨に見舞われた東京が描かれている。映画はフィクションだが,現実世界において長雨や熱波など異常気象の増加と激化は,人類がもたらした地球温暖化が大きな要因であることがほぼ確実視されている。その意味で異常気象は天災であると同時に人災の側面もある。『天気の子』は,この問題を我が身に引きつけて考える契機を与える作品になっている。新海監督が描く雲や雨,空の美しさには定評があるが,天気をメインテーマにした今回,雲研究者として知られる気象庁気象研究所の荒木健太郎博士が制作に協力することでリアリティが増し,作品世界を強固に支えている。荒木博士の協力を得て,映画で描かれた東京の異常気象を読み解く。
 
 
雲研究者に聞く 映画に描かれた東京の異常気象  中島林彦 協力:荒木健太郎
『天気の子』の空はこうして生まれた  対談:新海 誠×荒木健太郎

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