
日本の機械翻訳の研究開発をリードしてきた
観光客に人気の携帯型翻訳機の中核技術を開発した
グローバル時代に役立つ高精度な同時通訳技術の開発に取り組む
外国客が大挙来日する東京五輪・パラリンピックまで約1年。外国人労働者の受け入れ拡大策もあり,様々な国々の人とのコミュニケーションの機会が増え,外国語を音声で自動翻訳するニーズは高まるばかりだ。情報通信研究機構(NICT)フェローの隅田英一郎は,日本の機械翻訳研究の第一人者。携帯型翻訳機や高性能のビジネス翻訳などグローバル時代の翻訳システム作りに邁進している。 (文中敬称略)
再録:別冊日経サイエンス248『科学を仕事にするということ 未来を拓く30人』
隅田英一郎(すみた・えいいちろう) 情報通信研究機構フェロー。1955年生まれ。1982年電気通信大学大学院修士課程(電子計算機学専攻)修了。1999年京都大学大学院博士(工学)。日本アイ・ビー・エム,国際電気通信基礎技術研究所を経て2006年情報通信研究機構(NICT)へ。2016年から現職。2020年がゴールの音声翻訳の国家プロジェクトを推進。2018年からアジア太平洋機械翻訳協会会長も務める。