日経サイエンス  2019年9月号

nippon天文遺産 第24回

野辺山ミリ波干渉計

中島林彦(日本経済新聞) 協力:渡部潤一/石黒正人(ともに国立天文台)

 八ヶ岳山麓に広がる国立天文台野辺山キャンパスには,その前身の東京大学東京天文台時代に建設された2つの電波望遠鏡がある。1つは1982年に稼働,今も現役の口径45m望遠鏡。波長数mmの「ミリ波」を観測する単一アンテナの望遠鏡としては世界最大級で,野辺山のランドマークになっている。もう1つは複数のアンテナをつないで実効的に大口径を実現する電波干渉計で,同じくミリ波を観測することから「野辺山ミリ波干渉計」と呼ばれる。1986年の稼働当初は口径10mアンテナ5台で構成,後に同形アンテナが1台加わった。当初の5台は2011年に引退,往時の姿のまま展示されている。    (文中敬称略)



再録:別冊日経サイエンス245「天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち」

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