日経サイエンス  2019年9月号

クォークの世界を探る新加速器EIC計画

A. デシュパンデ(ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校) 吉田陸太郎(米国立トーマス・ジェファーソン加速器施設)

原子核の陽子や中性子は質量とスピンをどこから得ているのか? 意外なことに,よくわかっていない。これらの性質は,構成粒子であるクォークとグルーオンが複雑な相互作用を通じて結びつくなかで生み出されるようだ。その仕組みを理解するため,核子と原子核の内部を立体的に把握する電子・イオン衝突型加速器EICの建造が米国で計画されている。

著者

Abhay Deshpande / 吉田陸太郎(よしだ・りくたろう)

デシュパンデはニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の物理学教授で,電子・イオン衝突型加速器(EIC)の開発と推進を目的とする原子核科学フロンティアセンターの創設所長。吉田は米国立トーマス・ジェファーソン加速器施設の主席科学者。EICの科学計画の促進を目指す同研究所EICセンターの所長でもある。

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支配者グルーオンの謎」,R. エント/T. ウルリッヒ/R. ベヌゴパラン,日経サイエンス2015年8月号。

原題名

The Deepest Recesses of the Atom(SCIENTIFIC AMERICAN June 2019)

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