
惑星がどのように誕生したのかを研究
電波望遠鏡と物質科学の知見を駆使して
宇宙を舞台として生命の起源を捉え直そうとしている
太陽系のような惑星系は,宇宙のどこでも同じ道筋を辿って形成され,同様の物質からできている――。そんな常識を覆し,惑星に至る道筋が多様なことを発見したのが理化学研究所主任研究員の坂井南美。これまで運動や構造といった物理的観点が中心だった惑星系形成の研究に,物質の種類などの化学の視点を持ち込み,「生命はどこから来たのか」という問いにまで迫ろうとしている。 (文中敬称略)
坂井 南美(さかい・なみ) 理化学研究所主任研究員。1980年生まれ。2004年早稲田大学理工学部卒,2008年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了,同年東大助教。2015年理化学研究所准主任研究員,2017年より現職。2009年優れた博士論文に贈られる井上研究奨励賞,2013年日本天文学会研究奨励賞をそれぞれ受賞。2018年ナイスステップな研究者に選出。