日経サイエンス  2019年8月号

ウナギ絶滅回避なるか 間近に迫る完全養殖

出村政彬(編集部)

 日本でウナギの完全養殖研究が始まったのは60年近く前のことだ。研究者たちはようやく,難関とされてきたウナギの稚魚「シラスウナギ」の大量飼育にこぎ着けた。完全養殖の商用化が視野に入りつつある一方で,ウナギを絶滅させないためには他にも解決すべき問題が山積みだ。制度面の整備や,ウナギの保全に対する社会の理解が欠かせない。
 

 
再録:別冊日経サイエンス237「食と健康」

関連記事
旅するウナギの謎」,中島林彦,日経サイエンス2010年8月号。