日経サイエンス  2019年8月号

特集:アポロから半世紀 人類,月へ

アポロ11号 飛行士たちの足跡を追う

E. ベル(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

近年の衛星画像に基づく3次元コンピューターモデルによって,アポロ11号による月着陸の各段階と探査地域を再現できるようになった。米航空宇宙局(NASA)のルナー・リコネサンス・オービター(LRO)が2012年に撮影した着陸地点の写真に基づいて作成された月面の高低マップは,アームストロング(Neil Armstrong)とオルドリン(Buzz Aldrin)が月面で移動した経路のほか,着陸船や実験装置の位置,さらには彼らの足跡の位置までを明らかにしている。

時とともに失われる詳細を保存するのに衛星画像は役立つ。極端な温度と太陽の放射,月面に容赦なくぶつかる流星塵によって足跡は侵食されつつあり,機械類さえ最終的には消滅するだろう。着陸地点「静かの基地」は徐々に姿を消しつつある。

原題名

Mapping the Mission(SCIENTIFIC AMERICAN July 2019)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

ルナー・リコネサンス・オービター静かの基地受動式月震計太陽風組成実験装置レーザー測距用再帰反射器