日経サイエンス  2019年6月号

素粒子探索の新数学 アンプリチュードロジー

M. フォン・ヒッペル(デンマーク・ニールス・ボーア国際アカデミー)

 ポスト標準モデルへの手がかりをつかもうと,素粒子物理学者は世界最大の加速器LHCの実験結果に標準モデルの予言からのズレがないか探している。それには予言を高精度で計算する必要があるが,そうした計算はとても面倒。面倒な計算を“簡単に”行うための数学テクニックが,アンプリチュードロジーと呼ばれる分野の研究者によって開発されている。

著者

Matthew von Hippel

デンマーク・コペンハーゲンのニールス・ボーア国際アカデミーのポスドク研究員。夏の研究課題を探すために指導教員の研究室に立ち寄ったのをきっかけに,散乱振幅の計算の研究を始めた。また,ウェブサイトArs Technicaの科学エディターと「理論」の定義について議論して以来,一般の人々に科学のアウトリーチ活動を行っている。ブログも執筆している(https://4gravitons.worldpress.com)。

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ファインマンを越えて 新アプローチで探る究極理論」,日経サイエンス2012年7月号。

原題名

The Particle Code(SCIENTIFIC AMERICAN January 2019)

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