日経サイエンス  2019年6月号

特集:金星 地球の双子星 

第2の地球がたどった道

M. D. ダイアー(惑星科学研究所/マウント・ホリヨーク大学) S. E. スムレッカー(米航空宇宙局) S. R. ケーン(カリフォルニア大学リバーサイド校)

金星と地球はほとんど同じ状態からスタートしたが,どこかの時点から別の道をたどり,地球は海と大気を持つようになった。一方の金星表面は生命が住めない環境になった。ただし現在も火山活動が起こっており,プレートテクトニクスの初期兆候もある。金星がこうした進化を遂げた理由がわかれば,金星に似た多くの系外惑星に生命が存在する可能性について,より多くを知ることができるだろう。新たな金星探査ミッションが必要だ。

著者

M. Darby Dyar / Suzanne E. Smrekar / Stephen R. Kane

ダイアーは惑星科学研究所(PSI)のシニアサイエンティストで,マウント・ホリヨーク大学のケネディ・シェルクノフ記念天文学教授。鉱物の分光解析が専門で,月や火星,彗星,小惑星など地球外の鉱物やガラス質物質を研究している。スムレッカーは米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のシニアリサーチサイエンティストで,火星探査機インサイトの副主任研究者。岩石惑星の進化の道筋を研究しており,ときには火山での実地調査も行っている。ケーンはカリフォルニア大学リバーサイド校地球科学科の准教授を務める惑星物理学者。これまでに系外惑星を何百個も発見し,それらの生命居住可能性を調べている。

原題名

The Exoplanet Next Door(SCIENTIFIC AMERICAN February 2019)

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