日経サイエンス  2019年6月号

特集:金星 地球の双子星

「あかつき」が見た金星の風

中島林彦(日本経済新聞) 協力:中村正人/村上真也(ともに宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)

金星は地球と大きさも密度もほぼ同じで太陽からの距離も地球にかなり近いが,大気は全く違う。濃密な二酸化炭素で,惑星全体が硫酸の雲で覆われている。金星大気の大きな謎は自転速度をはるかに超えるスピードで惑星を周回していること。この「スーパーローテーション」のメカニズムは未解明で,いくつかの仮説が提唱されている。日本の探査機「あかつき」は史上初の金星の気象衛星で,金星大気の様々な高度で風を調べ,スーパーローテーションの解明に挑んでいる。

著者

中島林彦 / 協力:中村正人/村上真也

中島は日本経済新聞記者。中村は宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授(太陽系科学研究系)。金星探査機「あかつき」のプロジェクトマネージャを務め,惑星気象学の創設を目指している。村上は同研究所研究開発員。「あかつき」プロジェクトにおいて地上データ処理およびデータアーカイブに従事。専門は地球流体力学。

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