日経サイエンス  2019年5月号

特集:格差を科学する

日本でも進む「格差と健康」研究

古田彩(編集部) 協力:近藤尚己(東京大学)

貧困国どうしで比べると,国民の健康度は,平均所得が低いほど悪い。一方,先進国どうしでは,平均所得では差がつかず,社会における格差が大きいほど健康度が良くないことが知られている。では,国どうしではなく,個人レベルで見たらどうなるのだろう?

 

人間は,たとえ人並み以上に裕福であっても,周囲の人と比べて「豊かでない」と感じる状況が続くと,健康を害する恐れがある。所属しているコミュニティーの中での社会的・経済的な地位が相対的に低いと感じると恒常的にストレスを受け,それが健康リスクとなるという。日本で行われた調査研究を紹介する。
 

 
再録:別冊日経サイエンス236「心と行動の科学」

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健康格差相対的剥奪社会疫学