
重度の肥満を治療する「減量手術」は胃を切り詰めて体重減につなげるのだと考えられてきたが,それだけではないことが判明した。この手術を受けた人では,腸との情報交換に関与している脳領域の活動が活発になり,食欲そのものが変わる。また,消化器系に住み着いている微生物集団も変化し,これが腸と脳の間の信号伝達をさらに調整しているようだ。
再録:別冊日経サイエンス250「『病』のサイエンス」
再録:別冊日経サイエンス237「食と健康」
著者
Bret Stetka
ニューヨークを拠点にしているサイエンスライターで,メドスケープ(ウェブMDヘルスの一部門)の編集担当役員を務めている。Wired誌, ナショナル・パブリック・ラジオ,Atlantic誌などに寄稿・出演。2005年バージニア大学医学部卒。
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「胃腸と脳の意外なつながり」,M. コンスタンディ,日経サイエンス2012年10月号
原題名
Mind over Meal(SCIENTIFIC AMERICAN January 2019)
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