日経サイエンス  2019年3月号

nippon天文遺産 第20回

写真天頂筒

中島林彦(日本経済新聞) 協力:渡部潤一/中桐正夫(ともに国立天文台)

国立天文台三鷹キャンパスの奥まった場所に,退役したカマボコ形の天文ドームがあり,歴史的な望遠鏡などを集めた資料館になっている。その一画に「写真天頂筒」というかなり変わった望遠鏡が現役時をほうふつとさせる姿で安置されている。国立天文台の前身の東京大学東京天文台で昭和の半ばから末頃まで4半世紀,日本の時刻の決定に用いられていた。(文中敬称略)
写真天頂筒はその名の通り筒先を天頂に向けて固定した望遠鏡だ。「写真」が冠されているのは,天体の写真撮影専用であることによる。



再録:別冊日経サイエンス245「天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち」

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