日経サイエンス  2019年3月号

聴こえてきた遺伝子治療の足音 耳の難病に挑む

D. F. マロン(National Geographic誌)

最近,複数の疾患に対する遺伝子治療が承認された。難聴の遺伝子治療の研究も進んでいる。難聴というと一般には老化やけがによる例を連想するが,最も多く見られる先天性疾患の1つで,遺伝子の欠陥が原因であることが多い。研究者は難聴マウスを使った遺伝子治療実験で,聴力をかつてないレベルまで回復させることに成功している。先天性難聴を初めて根本的に治療できるようになるとの期待が高まっている。



再録:別冊日経サイエンス256『生命科学の最前線 分子医学で病気を制す』

著者

Dina Fine Maron

SCIENTIFIC AMERICANの元編集者で,現在はNational Geographic誌の野生動物取引の調査報道記者。

原題名

Out of the Silence(SCIENTIFIC AMERICAN December 2018)

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