日経サイエンス  2019年3月号

周期表の未踏領域 「安定の島」を目指して

C. E. デュルマン M. ブロック(ともにマインツ大学)

日本チームが合成した113番元素が「ニホニウム」と正式に命名されたのは記憶に新しい。これまでに合成されたのは118番元素のオガネソンまでで,これら超重元素はほんの一瞬で崩壊してしまう。しかし理論によると,陽子と中性子の数の組み合わせが適切な超重元素はもっと長寿命になり,周期表上で「安定の島」を形作るとされる。ニホニウムを越えて新たな領域を目指す研究の最前線を紹介する。

再録:別冊日経サイエンス254『SFを科学する 研究者が語る空想世界』

著者

Christoph E. Düllmann / Michael Block

デュルマンは独ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ(マインツ大学)およびGSI重イオン研究ヘルムホルツセンター(ダルムシュタット),ヘルムホルツ研究所マインツの核化学者。超重元素とその化合物の合成と,核特性,化学特性を研究している。

ブロックはGSI重イオン研究ヘルムホルツセンターとヘルムホルツ研究所マインツ,マインツ大学の原子核物理学者。超重元素の原子特性および核特性の精密測定を研究テーマとしている。

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超原子で作る超分子」,SCIENTIFIC AMERICANが選ぶ10大イノベーション,日経サイエンス2017年3月号。

原題名

Island of Heavyweights(Scientific American March 2018)

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