日経サイエンス  2019年2月号

狂犬病ウイルスで神経網を探索

A. J. マレー(英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ)

感染者をほぼ100%死に至らせる狂犬病ウイルス。このウイルスはニューロンからニューロンへと跳び移る能力を持ち,咬傷部から感染動物の脳に移動する。神経科学者はいま,狂犬病ウイルスのこの能力を利用・改良してニューロン間の接続を可視化している。恐ろしいウイルスが神経科学の有用なツールとして利用されているのだ。

 
 
再録:別冊日経サイエンス243「脳と心の科学 意識,睡眠,知能,心と社会」;

英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのセインズベリー・ウェルカム神経回路・行動研究センターの神経科学者。彼の研究チームは脳の神経回路が運動を生み出す仕組みを研究している。

関連記事
思考をつかさどる陰の立役者 グリア細胞」,R. D. フィールズ,日経サイエンス2004年7月号。

原題名

Rabies on the Brain(SCIENTIFIC AMERICAN October 2018)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

狂犬病ウイルス神経回路パーキンソン病