
1回の地震で何万人もの死者が出る場合がある。このため科学者たちは,事前に警報を出せるだけの確度で地震を予報しようと努めてきた。近年の観測で,地震発生の30分以上前に,電離層内に電子密度の高い部分が生じる場合があることが示唆された。早期警報が可能になるかもしれない。これまで地震予知の期待が裏切られてきた経緯があるため,この考え方は懐疑的に見られてきた。だが,今回の観測データは確かだと考える科学者も増え始めた。
著者
Erik Vance
フリーライター。科学の知られざる意外な側面に注目している。著書に「Do Chocolate Lovers Have Sweeter Babies? The Surprising Science of Pregnancy」(フリープレス,2011年)などがある。Wall Street Journal紙やOprah.com,Psychology Today誌,Nautilus誌などに寄稿している。
原題名
Earthquakes in the Sky(SCIENTIFIC AMERICAN October 2018)
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電離層/電離圏/電子密度/GNSS/GPS/東日本大震災/東北地方太平洋沖地震/日置幸介