日経サイエンス  2019年1月号

歯が語る人類祖先の食生活

P. S. アンガー(アーカンソー大学)

 化石歯の化学分析と,化石歯に残った微小摩耗痕,つまり微小な引っかき傷やくぼみを調べることで,私たちの祖先が実際に何を食べていたのかが明らかになってきた。人類の食事はその進化とともに多様化していったようだ。こうした食事に関する発見と古環境のデータとを結び付けることで,気候変化が人類進化をどう形作ったかについて新たな知見がもたらされている。
 
 
再録:別冊日経サイエンス242「人間らしさの起源 社会性,知性,技術の進化」
再録:別冊日経サイエンス237「食と健康」

著者

Peter S. Ungar

アーカンソー大学の古生物学者。現生の霊長類とヒトの祖先を含む化石霊長類の食事および摂食の適応を研究。近著は「Evolution’s Bite」(プリンストン大学出版,2017年)。

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気候変動のインパクト」,P. B. デメノカル,2014年12月号。

原題名

The Real Paleo Diet(SCIENTIFIC AMERICAN July 2018)

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