
奇妙な電波が地球に届いている例が2007年に見つかった。持続時間はわずか数ミリ秒だが,何十億光年も離れた遠い宇宙から届いており,ケタはずれの爆発的な事象で生じたと考えられる。「高速電波バースト」と名づけられたこの奇妙な現象の原因を突き止める取り組みが続いている。発生源としては,中性子星や超新星爆発,さらには「宇宙ひも」のような風変わりな可能性まで考えられている。
著者
Duncan Lorimer / Maura McLaughlin
ロリマーはウェストバージニア大学重力波・宇宙論研究センターの物理学および天文学の教授。主な研究テーマはパルサーと高速電波バーストの集団統計学。マクラフリンはウェストバージニア大学の天文学者。主な研究テーマは中性子星とその環境。現在,パルサーを使って重力波を検出することを目指す北米重力波ナノヘルツ観測センターの所長を務める。
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「超新星に新タイプ続々発見」,D. ケイセン,2016年9月号。
原題名
Flashes in the Night(SCIENTIFIC AMERICAN April 2018)
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高速電波バースト/パルサー/超新星爆発/中性子星/マグネター/活動銀河核/ガンマ線バースト/宇宙ひも/原始ブラックホール/重力波