日経サイエンス  2018年12月号

特集:新・人類学 第1部 人間性の起源

データで見る脳の違い

図解

C. C. シャーウッド(ジョージ・ワシントン大学)

人間は桁外れだ。現生人類の脳は,祖先筋にあたる最初期のホミニン(ヒト科動物)や現生の類人猿の脳の約3倍の大きさだ。ヒトの脳とチンパンジーなど近縁の霊長類の脳を詳しく比較した結果,ヒトでは特に言語や抽象的思考など高次の認知機能に関与する大脳皮質領域が大きくなっていることがわかった。また,脳の長い進化の過程で生じた遺伝子など分子レベルの変化を明らかにした興味深い研究から,チンパンジーなど他の知的な生物種とヒトの違いに関する別の手がかりが得られている。
 
 
再録:別冊日経サイエンス242「人間らしさの起源 社会性,知性,技術の進化」

著者

Chet C. Sherwood

ジョージ・ワシントン大学の人類学の教授。霊長類その他の哺乳動物の脳の進化を研究している。

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