
人間以外の動物でも苦痛を感じることを示唆する証拠が得られている。例えば,ロブスターやカニは傷つけられたり水から出されたりハサミをもぎ取られたりすると,ストレスホルモンを放出する。また,傷を負ったエビは足を引きずったり傷口をなでたりするが,ヒト用の鎮痛剤を与えるとこの行動は収まる。だが,人間以外の動物に意識があるかどうかに関する科学者たちの意見は分かれている。主観的経験という素晴らしき精神世界を持つのは本当に人間だけなのだろうか。
再録:別冊日経サイエンス243「脳と心の科学 意識,睡眠,知能,心と社会」
著者
Susan Blackmore
英プリマス大学の心理学者で客員教授。『ミーム・マシーンとしての私』(草思社,
2000年)など多数の著書がある。
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「意識とは何か」,C. コッホ,日経サイエンス2018年9月号。
原題名
The Hardest Problem(SCIENTIFIC AMERICAN September 2018)
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