日経サイエンス  2018年11月号

nippon天文遺産 第19回

東京天文台1号官舎

中島林彦(日本経済新聞) 協力:渡部潤一/中桐正夫(ともに国立天文台)

『八甲田山死の彷徨』『孤高の人』などの山岳小説で知られる新田次郎は昭和30年代半ば,東京天文台(国立天文台の前身)の天文学者をモデルとした恋愛小説を書いた。ヒロインが「ロビンフッドでも出て来そうな森」と評した三鷹の天文台キャンパスの豊かな緑の中に当時,50軒近い官舎があり,作中の30代半ばの天文学者のように多くの職員が職住近接ならぬ職住同一で観測に取り組んでいた。唯一現存する1号官舎は三鷹市の登録文化財として保存・活用されている。(文中敬称略)



再録:別冊日経サイエンス245「天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち」

サイト内の関連記事を読む