日経サイエンス  2018年11月号

効果ある? 知育玩具

E. バンス(サイエンスライター)

いわゆる知育玩具には,乳幼児の読字や学習,算数,歩行の開始時期を早めると宣伝しているものが多いが,科学的な裏づけはほとんどない。
赤ちゃんが早い時期に進歩を見せても,それが長期的な強みにつながることを示した研究はない。
ペースの速いビデオやテレビ画像は,乳幼児が実世界の進行速度を把握する能力を阻害して注意欠陥につながる可能性がある。
遊びがもたらす最大の恩恵は,他の人間との相互作用から生じる。だから,親はちゃんと時間を取って子供と一緒に過ごすことが大切だ。

再録:別冊日経サイエンス259『新版 認知科学で探る心の成長と発達』
再録:別冊日経サイエンス243「脳と心の科学 意識,睡眠,知能,心と社会」

著者

Erik Vance

サイエンスライター。比較的最近に父親になった。最初の著書「Suggestible You」(ナショナルジオグラフィック協会,2016)は信仰が脳にどう影響するかを扱った。

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子供の意外な“脳力”」,A. ゴプニック,2010年10月号。

原題名

Can You Supercharge Your Baby?(SCIENTIFIC AMERICAN June 2018)

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