
誕生から10億年以内の宇宙に約10億太陽質量のブラックホールが存在していたことが観測から明らかになっている。従来のブラックホール形成シナリオ,つまり大質量星の死を出発点とするシナリオでは,観測されているような巨大ブラックホールを10億年よりも短期間に形成することは不可能だ。宇宙初期の巨大ブラックホールはどうやって形成されたのだろう。著者たちはブラックホール形成の新しいシナリオを提案している。巨大ブラックホールのタネが,星の誕生と死を経ずに,ガス円盤から直接形成されたというものだ。
著者
Priyamvada Natarajan
エール大学の理論宇宙物理学者。専門は宇宙論と重力レンズ効果,ブラックホール物理学。
関連記事
「ブラックホールで一般相対論を検証」,D. サルティス/S. S. ドールマン,2015年12月号。
原題名
The First Monster Black Holes(SCIENTIFIC AMERICAN February 2018)
サイト内の関連記事を読む
ジェームズ・ ウェッブ宇宙望遠鏡/ブラックホール/天体物理学
キーワードをGoogleで検索する
巨大ブラックホール/クエーサー/直接崩壊シナリオ/ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡