
2015年,米観測施設が世界で初めて重力波の観測に成功した
観測を妨げる様々なノイズを取り除きノイズハンターと呼ばれる
初観測の立役者が今目指しているのは宇宙での重力波観測だ
「宇宙誕生直後の産声を聞きたい」。名古屋大学教授の川村静児は宇宙のインフレーションで生じた重力波を検出するため宇宙に浮かぶ重力波天文台を提唱する。重力波を初観測した米国の観測施設LIGO(ライゴ)の実現に貢献し,その手腕とアイデアを生かして今,LIGOをはるかに凌駕する観測に挑もうとしている。 (文中敬称略)
川村静児(かわむら・せいじ)
名古屋大学教授。1958年高知市生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了後,カリフォルニア工科大学へ。国立天文台准教授,東京大学宇宙線研究所教授を経て2017年から現職。著書に,『重力波とは何か』(幻冬舎,2016年),『重力波物理の最前線』(共立出版,2018年)などがある。