
恐竜は最初から地上の覇者だったわけではない。2億3000万年前の三畳紀中ごろに登場してから数千万年は体も小さく,大型の爬虫類や,後にワニに進化する主竜類の狭間でひっそりと生きていた。だが三畳紀末期の地殻変動で上位陣が絶滅するなどいくつかの幸運が働いて,次第に勢力を増していった。高効率の呼吸システムを獲得し,その仕組みを目的外利用して体を巨大化し,あるいは翼を得て空へと進出した。種の数を拡大し,形のバリエーションを増やして多様化していった。本特集では,世界の片隅で生きていた恐竜が,3つの大進化を経て地上の覇者となった理由を探る。また北海道で見つかった国内最大の全身骨格から,恐竜が最後の栄華を誇った白亜紀末の日本の恐竜について解説する。
覇者への意外な道 S. ブルサット
ファルコンズ・アイ小林快次に聞く恐竜の大進化 内村直之 協力:小林快次
むかわ竜が明かす日本の恐竜最盛期 内村直之