日経サイエンス  2018年7月号

特集:混合栄養生物ミクソトロフ

進化の出発点 混合栄養生命

中島林彦(日本経済新聞) 協力:布浦拓郎(海洋研究開発機構)

最初に誕生した生命は,エネルギーと栄養を有機物に依存する従属栄養だったのか,有機物に依存しない独立栄養だったのか論争が続いている。これまでは2つの説の論争だったが,環境に応じて従属栄養と独立栄養を使い分ける混合栄養生物が最初に誕生したとする新説が提唱された。きっかけとなったのは沖縄の深海底の熱水噴出域で見つかった細菌だ。熱水中の水素と硫黄をエネルギー源とする独立栄養生物だが,有機物も取り込み従属栄養生物のような代謝も行っていた。

再録:別冊日経サイエンス235「進化と絶滅 生命はいか誕生し多様化したか」
再録:別冊日経サイエンス261『生命輝く海 ダイナミックな生物の世界』

著者

中島林彦 / 協力:布浦拓郎

中島は日本経済新聞記者。布浦は海洋研究開発機構海洋生命理工学研究開発センターのセンター長代理。

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