日経サイエンス  2018年6月号

特集:ポスト標準モデルへの手がかり

ビューティー粒子の崩壊を追え

G. ウィルキンソン(英オックスフォード大学)

欧州合同原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器LHCで行われているLHCb実験は,未発見の粒子を探索している。極微の世界の物理について新たな真実を明らかにする可能性のある粒子だ。LHCb実験ではそうした新粒子を直接に作り出すのではなく,ごく短時間だけ現れて消える「仮想粒子」が通常の物質に及ぼす影響を検出しようと狙っている。すでに,現在の物理法則では容易に説明のつかない奇妙な現象の兆しが見つかっている。それらが新粒子の世界をうかがわせるものなのかどうか,今後の研究ではっきりするだろう。

著者

Guy Wilkinson

英オックスフォード大学の素粒子物理学者。欧州合同原子核研究機構(CERN)におけるLHCb実験の前研究代表者。

関連情報
LHCb実験のウェブサイト http://lhcb-public.web.cern.ch/lhcb-public
標準モデルを超えて 新しい物理学の夜明け」,G. ケイン,日経サイエンス2003年9月号

原題名

Measuring Beauty(SCIENTIFIC AMERICAN November 2017)

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