
ビットコインを実現するための技術として誕生した「ブロックチェーン」は,異なる主体の間での信頼できる情報共有を可能にする画期的な技術として注目されている。
しかし,実時間性,秘匿性,スケーラビリティ,技術の進化のしやすさ,プラットフォームとアプリケーションの間でのインセンティブの整合性の問題など,課題も多い。
そうした課題の解決に向けてさまざまな取り組みが行われている中,著者らがオープンソースで取り組んでいるBeyond Blockchain One(BBc-1) の設計の概要を紹介する。
著者
斉藤賢爾(さいとう・けんじ)
慶応義塾大学SFC研究所上席所員・環境情報学部講師(非常勤)。一般社団法人ビヨンドブロックチェーン代表理事。現在の貨幣経済を素朴に疑問に感じていたことから2000年にデジタル通貨の研究の世界に飛び込み,その流れでブロックチェーンの課題を意識するようになって現在に至る。専門はインターネットと社会。