日経サイエンス  2018年4月号

nippon天文遺産 第14回

ゴーチェ子午環(下)

中島林彦(日本経済新聞社) 協力:渡部潤一/中桐正夫(ともに国立天文台)

近代天文学の黎明期,天球上の星の位置の精密観測は天文台の重要な業務だった。その観測を担った望遠鏡の1つが国立天文台三鷹キャンパスにある「ゴーチェ子午環」。東京大学東京天文台時代の大正時代末から昭和50年代末まで半世紀以上にわたって活躍した。国立天文台は天文遺産を後世に伝える事業の一環として,ゴーチェ子午環による観測の模様を再現した映像記録を約10年前に製作した。古風な短編映画の趣がある作品だ。現在,映像の公開は休止しているが,今回紹介するカットからでも,当時の観測の雰囲気を感じ取ることができる。 (文中敬称略)



再録:別冊日経サイエンス245「天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち」

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