
昔の小規模社会は平等な共同体ではなく,見下された人々を多数含む例が多かった。他の集団から拉致されてきた捕虜だ。そうした捕虜の暮らしは世界史研究において長らく無視されてきたが,初期の旅行者の記述などを分析した結果,捕虜が略取者の社会に大きな影響を及ぼしていたことがわかった。捕虜は社会に権力と富をもたらし,それが複雑な国家レベルの社会への変化を引き起こす土台となったようだ。
著者
Catherine M. Cameron
コロラド大学ボルダー校の考古学者。チャコキャニオンなど米国南西部の遺跡調査を主要な研究テーマとしている。過去12年間,世界中の初期小規模社会における捕虜について研究してきた。
再録:別冊日経サイエンス228「性とジェンダー」
原題名
How Captives Changed the World(SCIENTIFIC AMERICAN December 2017)
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