日経サイエンス  2018年4月号

モンゴルに牧畜犬を再び

J. オーバードルフ(フリーライター)

モンゴルの草原が砂漠化している。主因は意外なことに過放牧だ。オオカミやユキヒョウなどの野獣に家畜を襲われた農家がカシミヤヤギの放牧頭数を大幅に増やした結果,草原が食い尽くされる事態に。そこで,モンゴル固有の牧畜犬「バンホール」を再導入して野獣を遠ざけ,放牧数を抑制しながら牧畜を維持する試みが米国人実業家の協力で進んでいる。環境と野獣を救うことにもつながるだろう。

 

 

再録:別冊日経サイエンス226「動物のサイエンス 行動,進化,共存への模索」

 

著者

Jason Overdorf

インドのニューデリーを拠点とするフリーランスライター。

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原題名

Guardian Dogs of the Mongolian Steppe(SCIENTIFIC AMERICAN February 2018)

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