日経サイエンス  2018年4月号

特集:糖尿病と戦う新戦略

糖尿病を手術で治す

F. ルビーノ(ロンドン大学キングス・カレッジ)

もともとは減量を目的としていた腸バイパス手術が2型糖尿病の標準的な治療法として推奨されている。食事療法や投薬よりも糖尿病をより適切に,より早く,より長く制御できることを,数多くの臨床試験が示している。こうした成功例は糖尿病と腸に関連があることを示している。手術が有効なのは,手術によって消化管ホルモンや胆汁酸,腸内細菌が変化するため,あるいは病気の原因が取り除かれるためだと考えられる。



再録:別冊日経サイエンス250「『病』のサイエンス」
再録:別冊日経サイエンス237「食と健康」

著者

Francesco Rubino

ロンドン大学キングス・カレッジの代謝・減量手術学科長で,キングス・カレッジ病院の外科医として臨床にも携わっている。腸に注目した糖尿病治療法を開発しているGIダイナミクスとフラクティルの科学顧問として,また医療機器メーカーのエチコンおよびメドトロニックの顧問として報酬を得ている。

原題名

Operation: Diabetes(SCIENTIFIC AMERICAN July 2017)

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