日経サイエンス  2018年3月号

温暖化を加速? 見えてきた雲の役割

K. マーベル(米航空宇宙局・コロンビア大学)

地球温暖化の程度を正確に予測するには雲の影響を見極める必要がある。変化に富む雲をコンピューターモデルで模擬するのは難しいが,質の高い衛星観測データのおかげで明確な手がかりが得られた。上層雲の高度がさらに高まりそうなこと,曇天域と晴天域が低緯度地域から両極へ向かってシフトしそうなことなどだ。温暖化を増幅する傾向が強く,温暖化を遅らせる作用は期待よりも弱いことが判明した。
 

 
再録:別冊日経サイエンス240「気候大異変 いま地球で何が起こっているのか」

著者

Kate Marvel

米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙科学研究所とコロンビア大学応用物理学・応用数学科でアソシエート・リサーチ・サイエンティストを務めている。科学に関するブログ(http://marvelclimate.blogspot.com)を執筆中。

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もうひとつの温暖化危機 北上する赤道降雨帯」,J. P. サックス/C. L. ミアボルド,日経サイエンス2011年6月号。

原題名

The Cloud Conundrum(SCIENTIFIC AMERICAN December 2017)

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平衡気候感度北極温暖化増幅