
細菌の集団はゼリー状の「バイオフィルム」を形成して自分たちを包み,身を守っている。排水管についたヌメリなどがバイオフィルムの例だが,体内や医療器具にバイオフィルムができてしまうと抗菌薬が効かなくなり,慢性感染症を起こす原因となる。この砦を打ち破る新戦略が研究されている。細菌が仲間にバイオフィルムからの脱離を伝えるシグナルとして使う化学物質を操る方法などだ。
著者
Karin Sauer
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校の生物学教授。副所長を務めるビンガムトン・バイオフィルム研究センターでバイオフィルムの形成や脱離,抗菌薬耐性のメカニズムについて研究している。
関連記事「バクテリア社会の弱点を突く」,C. ジンマー,日経サイエンス2015年6月号。
原題名
The War on Slime(SCIENTIFIC AMERICAN November 2017)
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バイオフィルム/マトリクス/基質/感染症/付着因子/抗菌薬/表面材/DNA分解酵素Ⅰ/シス2デセン酸/環状ジグアニル酸/バクテリオファージ/リポソーム