日経サイエンス  2017年12月号

特集:性とジェンダーの科学

性はXとYだけでは決まらない

A. モンタニェス(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

生物学的性別の決定は,単に解剖学的特徴だけでなく,時を追って展開する遺伝的因子と化学的因子の込み入った振る舞いが関わる驚くほど複雑な過程だ。通常とは異なる性的発達をたどるインターセックスの人は,5アルファ還元酵素欠損症など様々な性分化疾患によって特徴づけられる。さらに複雑なことに,本人が自認するジェンダーが出生時に割り当てられた生物学的性別と一致するとは限らないうえ,全面的に男性あるいは女性というわけではない場合もある。生物学的な性とジェンダーについて知るほど,それらが連続したスペクトルをなしているのがわかる。

再録:別冊日経サイエンス260『新版 性とジェンダー』

原題名

Beyond XX and XY(SCIENTIFIC AMERICAN September 2017)

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