日経サイエンス  2017年12月号

特集:ニュートリノの物理学

梶田隆章が語る研究展望

存在感高まる中国,韓国

語り:梶田隆章(東京大学宇宙線研究所) 聞き手:中島林彦(日本経済新聞)

ニュートリノ物理学が大きく前進し始めたのは1998年,ニュートリノが飛行中に種類を変える「ニュートリノ振動」がスーパーカミオカンデで発見されてからだ。以来約20年,ニュートリノ振動を“探針”として使う実験で,ニュートリノの様々な特性が明らかになった。この先の10年はどのような展開になるのか。ニュートリノ振動の発見者で,現在は東京大学宇宙線研究所の所長としてスーパーKさらには後継のハイパーカミオカンデを推進する梶田隆章博士に聞いた。

著者

梶田隆章(かじた・たかあき)

梶田は東京大学宇宙線研究所長。2015年ノーベル物理学賞受賞。1959年埼玉県出身。東京大学大学院の小柴昌俊教授(当時)の研究室でカミオカンデの建設に携わり,陽子崩壊を探索する過程でニュートリノ振動の兆候をつかむ。1992年東京大学宇宙線研究所助教授となりスーパーカミオカンデの建設に携わる。1998年,スーパーカミオカンデを用いた実験でニュートリノ振動を発見。1999年東京大学宇宙線研究所教授。2008年から現職。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

大亜湾実験ダヤベイ実験RENO実験ニュートリノダブルショー実験T2KT2KKCP対称性の破れ質量階層性J-PARCハイパーカミオカンデスーパーカミオカンデ