
盆踊りからアルゼンチンタンゴ,ブレイクダンス,クラシックバレエまで,あらゆる文化で踊りは重要な役割を演じている。ダンスをする能力は,筋肉を制御する運動ニューロンと,感覚ニューロンで検出した聴覚信号を「同調」させる神経的な処理に依存している。この同調ができるのは人間だけだと思われていたが,実際にはハチドリやオウム,カリフォルニアアシカもこの能力を示すことが近年の研究でわかった。ただし,仲間にぴったり合わせて複雑な動きで踊れるのは人間だけだ。ダンスはなぜこれほど人間に広く見られる特徴となり,人間が上手な踊り手であるのはなぜなのか? ダンスの進化の謎を考える。
著者
Thea Singer
ボストンを拠点とする科学ジャーナリスト。Washington Post紙やMIT Technology Review誌,Psychology Today誌などに執筆している。著書に「Stress less」(ハドソン・ストリート出版,2010年)など。
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「ダンスの神経科学」,S. ブラウン/L. M. パーソンズ,2008年10月号。
原題名
The Evolution of Dance(SCIENTIFIC AMERICAN July 2017)
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運動計画領域/エントレインメント(同調,引き込み)/発声学習/集合的沸騰