
国立天文台がハワイ島マウナケア山頂に建設した口径8mの「すばる望遠鏡」は平成11年(1999年)の稼働以来,天文学の発展に大きく貢献,現在も最先端の観測を行っている。膨大な量の観測データは新発見が眠る“宝の山”で,そのデータ解析の拠点として国立天文台の三鷹キャンパスに「すばる解析棟」が整備された。
内外の研究者が足繁く訪れるこの建物の脇の植え込みの中に,人の背丈より少し低い石柱がひっそりと立っている。かつてこのあたりには「連合子午儀室」という観測施設があり,石柱はその唯一の遺構だ。
再録:別冊日経サイエンス245「天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち」