
チューリングテストに“13歳”の人工知能が合格──3年前に話題になったニュースだ。あるコンピューターが,質問に直接には答えない嫌味な13歳の少年「ユージーン・グーツマン」を装うことでテストに“合格”したとされた。チューリングテストは機械が人間の判定者にその機械が人間だと納得させられるかどうかを試すもので,その機械が知的かどうかを判定する究極の試験法と考えられてきた。グーツマンの知能が人間並みだと認める専門家はいない。真に知的であることよりも,人間をどう騙すかで合否が決まるテスト法のほうが時代後れになったと著者は指摘する。機械の知能を様々な側面から評価する新テスト法の提案を紹介する。
著者
Gary Marcus
ウーバーAIラブズの所長でニューヨーク大学の心理学・神経科学の教授。近著はフリーマン(Jeremy Freeman)との共著による「The Future of the Brain」(プリンストン大学出版局,2014年)。
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「論争─機械はものを考えるか─YES: 統合化が心をつくる」,P. M. チャーチランド/P. S. チャーチランド,サイエンス(日経サイエンスの前身)1990年3月号。別冊日経サイエンス216『AI 人工知能の軌跡と未来』に収載。
原題名
Am I Human?(SCIENTIFIC AMERICAN March 2017)
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