
誕生直後に宇宙が急膨張したとするインフレーション理論は宇宙最古の光「宇宙マイクロ波背景放射」の観測によって検証が進んでいる。この研究の流れを生み出した米探査機WMAPのデータ解析で中心的な役割を果たしたのが小松英一郎博士だ。インフレーション理論は1980年代初めに佐藤勝彦博士らが提唱して以来,多数のモデルが提唱されてきた。だが小松博士によると,WMAPによってその多くは淘汰され,最初期のモデルが改めて脚光を浴びている。現在,インフレーションで生じたと考えられる原始重力波の探索が進んでいる。もし検出されればインフレーション理論が確証され,どのインフレーションモデルが正しいかもわかると考えられている。
小松英一郎が語る 絞られてきたモデル
中島林彦 協力:小松英一郎
インフレーション理論は盤石か?
A. アイジャス/P. J. スタインハート/A. ローブ