
太陽系に最も近いアルファ・ケンタウリ星は南天の夜空でひときわ明るく輝く単独星として肉眼では見えるが,実は連星で,少し離れたところにある肉眼で見えないほど暗い赤色矮星プロキシマ・ケンタウリとも重力的に結びついて全体として三重連星を構成している。昨年,この赤色矮星に,地球に近いサイズの岩石惑星とみられる惑星プロキシマ・ケンタウリb(プロキシマb)が見つかった。プロキシマbの公転軌道は惑星表面で水が液体の状態を保てる程度の領域(ハビタブルゾーン)に入っており,生命を宿しうる(ハビタブルである)可能性がある。プロキシマbはブレークスルー・スターショット計画で探査する天体の有力候補になりそうだ。
著者
中島林彦 / 協力:佐藤文衛
中島は日経サイエンス編集長。佐藤は東京工業大学理学院准教授(地球惑星科学系)。様々な恒星の周りに存在する多様な惑星系を探索,その性質を観測によって明らかにしようと研究に取り組んでいる。
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