日経サイエンス  2017年5月号

特集:スターショット計画

日本の宇宙ヨット「イカロス」

中島林彦(編集部) 協力 森 治(宇宙航空研究開発機構)

強力なレーザー光を帆に受けて推進する超小型宇宙船でアルファ・ケンタウリ恒星系を目指すブレークスルー・スターショット計画。巨額の費用が調達できて開発も順調に進んだとして,宇宙に飛び立つのは2040年代半ばになるが,その手本となる宇宙船がすでに2010年に地球を出発し,はるか彼方の惑星間空間を現在も加速を続けつつ航行している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が建造した宇宙ヨット「イカロス」だ。イカロスはブレークスルー・スターショット計画の技術開発のいわば出発点になる。一方,JAXAはイカロスの航海で得た知見をもとに,木星と同じ軌道を公転するトロヤ群小惑星を探査する宇宙ヨットの開発を進めている。

 

 

再録:別冊日経サイエンス223「地球外生命探査」

 

著者

中島林彦 / 協力 森 治

中島は日経サイエンス編集長。森は宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所助教。「イカロス」のマネージャで木星トロヤ群小惑星を探査するソーラー電力セイル探査機の開発に取り組む。小惑星探査機「はやぶさ」と「はやぶさ2」にも関わっている。

関連記事
快走!宇宙ヨット『イカロス』」,中島林彦,協力:森 治,日経サイエンス2010年11月号。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

イカロス宇宙ヨットソーラーセイルソーラー電力セイル木星トロヤ群小惑星はやぶさ小惑星探査機