
「気候変動はでっち上げだ」って,ちょっと待った。米国では近年,特定の問題に関する科学的コンセンサスを否定する人々が目につく。先の大統領選挙キャンペーンでもそれが顕著だった。本誌の提携誌SCIENTIFIC AMERICANはこれを機会に,確立した科学的真実であるにもかかわらず一部の人たちが奇妙にも異論を唱えている事例をいくつか示すことにした。5つの事実は「地球生命の多様性を合理的に説明できるのは進化だけ」「ホメオパシーは科学的根拠なし」「気候変動陰謀論はばかげている」「ワクチンは自閉症を引き起こさない」「宇宙人来訪を示す信頼できる証拠はない」──反科学勢力を論破するためにも,しっかり押さえておこう。
著者
Michael Shermer / Harriet Hall / Ray Pierrehumbert / Paul Offit / Seth Shostak
シャーマーはSkeptic誌の発行人で,SCIENTIFIC AMERICANに同名のコラムを連載。チャップマン大学のプレジデンシャルフェロー。近著は「The Moral Arc」。ツイッターは@michaelshermer。
ホールは家庭医として診療した後,現在は医学と代替医療,科学,いんちき治療,批判的思考に関して執筆している。ブログサイトScience-Based Medicine の開設に加わり,編集者を務める。懐疑主義的研究のための委員会(CSI,旧称サイコップ)のフェロー,科学に基づく医療協会(SFSBM)の理事も務める。
ピアハンバートは英オックスフォード大学のハレー記念物理学教授。
オフィットはフィラデルフィア小児病院で感染症部門の小児科学の教授とワクチン教育センターの所長を務めている。
ショズタクは地球外生命について研究している非営利機関SETI研究所の上級天文学者。同研究所による週刊のラジオ番組「ビッグ・ピクチャー・サイエンス」のホストも務めている。
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「政治家に見る反科学主義」,S. L. オットー,日経サイエンス2013年3月号。
原題名
5 Things We Know to Be True(SCIENTIFIC AMERICAN November 2016)
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