日経サイエンス  2017年4月号

量子ビットから生まれる時空

C. モスコウィッツ(SCIENTIFIC AMERICAN編集部) 監修:大栗博司(カリフォルニア工科大学/東京大学)

時空は情報の基本単位からできていて,それらの構成要素は「量子もつれ」という奇妙な現象を介して結びついているのかもしれない。量子もつれ状態にある2つの粒子は,遠く離れていても,その振る舞いが同期する。量子コンピューターを扱う量子情報の研究者と,一般相対性理論や超弦理論を研究する物理学者が共同で,「It from Qubit」というプロジェクトのもとでこの仮説を追求している。相性の悪い量子力学と一般相対論を統合する量子重力理論の実現が最終目標だ。監修者の大栗教授による関連記事「量子誤り訂正符号とAdS/CFT対応の関係」も併せて掲載。




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再録:別冊日経サイエンス229「量子宇宙 ホーキングから最新理論まで」

著者

Clara Moskowitz / 監修:大栗博司

モスコウィッツはSCIENTIFIC AMERICAN編集部に所属。大栗はカリフォルニア工科大学カブリ冠教授,同大学ウォルター・バーク理論物理学研究所長,東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員,アスペン物理学センター所長。専門は素粒子論,主に超弦理論を研究。

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ワームホールと量子もつれ 量子時空の謎」,J. マルダセナ,日経サイエンス2017年1月号。
ホログラフィー原理を解く エンタングルメント・エントロピーと笠・高柳公式」,中島林彦,協力:大栗博司/高柳匡,日経サイエンス2017年1月号。

原題名

Tangled Up in Spacetime(SCIENTIFIC AMERICAN January 2017)

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