日経サイエンス  2017年1月号

特集:人新世を考える

知りえない未来

K. S. ロビンソン(SF作家)

私たちはみな,未来に関心がある。だが一流のSF作家でも未来予測に特に秀でているわけではなく,未来は結局のところ不可知だ。近年の傾向を延長して予測を試みる例が多いものの,社会や技術が一定の速度で変化することはまれで,他の予測手法も同様に失敗する定めにある。では,未来予測に何の意味があるのか? SF作家はそれを知っている。予測を通じて,いま現在の人々の思考や先入観が明らかになる。

 
 
再録:別冊日経サイエンス231「アントロポセン──人類の未来」

著者

Kim Stanley Robinson

何冊ものベストセラーを持つSF作家。ネビュラ賞とヒューゴー賞を受賞した火星3部作のほか,『2312 太陽系動乱』「Aurora」などの作品がある。

原題名

The Great Unknown(SCIENTIFIC AMERICAN September 2016)

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