日経サイエンス  2017年1月号

特集:人新世を考える

「知生代」を宇宙にひらく

D. グリンスプーン(惑星科学研究所)

人類の影響が世界の変化を引き起こす主力となった「人新世」はいつまで続くだろうか? 人類が人口増や資源の枯渇,小惑星衝突,気候変動,長期的には太陽の老化などを克服して存続し,人新世が永続的なものになれば,地球は根本的に新しい状態に移行する可能性がある。「知生代」ともいうべき新時代だ。そこでは人類文明が知恵を結集して地球の自然を安定させ,生物圏を新たな宇宙領域へと広げるだろう。
 
 
再録:別冊日経サイエンス231「アントロポセン──人類の未来」

著者

David Grinspoon

アリゾナ州トゥーソンにある惑星科学研究所のシニアサイエンティスト。2012〜13年,米国議会図書館に新設された宇宙生物学部門の初代部門長を務めつつ,近著「Earth in Human Hands」の執筆準備を進めた。

原題名

Deep Time, Deep Survival(SCIENTIFIC AMERICAN September 2016)

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