日経サイエンス  2016年11月号

人類の健康診断

W. W. ギブズ(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

 先進国ではがんと生活習慣病,途上国ではいまもなお感染症が問題──という認識は概ね正しいものの,健康問題に関する多くの既存データは不正確または欠落しており,国別の比較が困難なものもある。そこで内科医で経済学者のクリストファー・マレーは全世界の疾病・障害の実情把握に取り組んできた。ビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援を得て2007年にワシントン大学(シアトル)に「保健指標評価研究所(IHME)」を設立,データを全世界から集めて高度なスーパーコンピューターモデルで処理し,信頼性の高い数値を算出している。人類の健康状態を顕わにしたこのデータ集から,多くの新事実が浮かび上がってきた。

 

 

再録:別冊日経サイエンス225「人体の不思議」

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60億人のアフリカ 人口問題の処方箋」,R. エンゲルマン,日経サイエンス2016年7月号。
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原題名

Health Check for Humanity(SCIENTIFIC AMERICAN August 2016)

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