日経サイエンス  2016年11月号

特集 宇宙の超巨大構造

 銀河は一様分布しているのではなく,群れ集まって銀河団をなし,銀河団は寄り集まって超銀河団を作り,これらが並んで巨大なフィラメントやシートを形成する。そうしたものが存在していない領域はボイドと呼ばれる非常に空虚な空間だ。超銀河団とボイドで特徴付けられる宇宙の大規模構造における天の川銀河の“立ち位置”に関して,最近,新発見があった。天の川銀河が属する超銀河団が従来考えられていたよりもはるかに巨大であることがわかり,この新発見の超巨大構造はラニアケア超銀河団と名づけられた。これまで知られていたボイドよりもさらに巨大なスーパーボイドの存在も明らかになった。宇宙の大きな謎,暗黒物質と暗黒エネルギーの解明ための新たな手がかりになりそうだ。

 

天の川を従えるラニアケア超銀河団  N. I. リベスキンド/R. B. タリー
宇宙で最も空っぽな場所 スーパーボイド  I. ザプーディ
梶田隆章が語る 宇宙・素粒子研究の未来  語り:梶田隆章
nippon天文遺産 天文遺産への思い  渡部潤一

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