
保護の成果か,世界自然保護基金(WWF)などはこのほど,世界のトラ個体数がついに増え始めたと発表した。だが野生のトラを長年追跡してきた著者は,そのデータは調査手法が時代遅れで状況を見誤っていると警鐘を鳴らす。著者たちが採用した新技術とインドで行った追跡調査を報告する。トラを絶滅から救うには,トラを圧迫している本当の要因を見極め,生息域と個体数を正確に把握する科学調査がカギだ。
再録:別冊日経サイエンス226「動物のサイエンス 行動,進化,共存への模索」
著者
K. Ullas Karanth
ニューヨークに本部がある野生動物保護協会(WCS)のシニアサイエンティスト。工学を学んだ後,保全生物学者となった。30年以上にわたってトラを研究している。
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「象牙の密輸をDNAで追え」,S. K. ワッサー/B. クラークほか,日経サイエンス2010年4月号。
原題名
Tracking Tigers(SCIENTIFIC AMERICAN July 2016)
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